ゴルファーはスイングの前に「姿勢と歩き方」から考えよう

GPA代表の井上です。

ゴルフの練習をする時、アドレス・テークバック・ダウンスイング・インパクト・フォロースルー・フィニッシュと様々なスイング理論があります。

また、スイング軌道はアウトサイドインがいい、インサイドアウトがいい、インサイドインがいいなどの話もそうです。

ただその前に、皆さんに考えてみてほしいことがあります。

そもそも、立っている自分の「姿勢」はどうなっているか考えたことがありますか?また、自分が歩いている「歩行姿勢」や「歩行状況」は把握できていますか?

ゴルファーは、アドレスなど静止した姿勢をすることが多く、ラウンド中は常に歩きます。

身体の姿勢や歩き方は、スイングに大きな影響を及ぼします。

この記事では、姿勢や歩き方がゴルフのスイングにどのような影響を与えるか詳しく解説をしていきます。姿勢の定義に、医学的な代表的なものとして「解剖学的肢位(かいぼうがくてきしい)」というものがあります。

「解剖学的肢位」は、解剖学で体を記述するための基準となる人体の位置を示します。体のどの部位を指しているかを正確に伝えるための基準となります。以下に、その主な特徴を説明します。

良い姿勢とは?

解剖学的肢位
解剖学的肢位(かいぼうがくてきしい)


上にある画像が解剖学的肢位というものになります。具体的に説明は下記の通りです。

  1. 立位: 解剖学的肢位では、人間は立っている姿勢を基準とします。つまり、対象者は足を肩幅に開き、足元はやや外を向きます
  2. 前を向いている: 顔と視線は前方を向き、両腕は体側に下げ、手のひらは前方を向いています
  3. 平行または垂直: 全ての説明はこの立位を基準に行われます。つまり、「上」や「下」は垂直方向を、「前」や「後」は身体の前後方向を、「左」や「右」はそのまま身体の左右を指します。

良い姿勢とは何か?と問われたときには、基本となる形が解剖学的肢位であると理解していただければと思います。

ただ、一方で手のひらを前にしてみると分かるのですが、肩の前側あたりがやや窮屈さを感じるかもしれません。これは、普段手のひらを前にして過ごすことがほとんどないために感じるものであり、これが1つの原因として、いわゆる「巻き肩」になりやすいということになります。

現代人の日常生活として、巻き肩になりやすい傾向にあるというのがお分かりいただけるかもしれません。

ゴルフにとって、解剖学的肢位は様々な面で影響します。例えば、グリップですが、どんなグリップがいいかということ1つとっても、ストロンググリップがいい、ウィークグリップがいい、スクエアグリップがいいなど様々です。

GPAでは、身体の構造や動きをベースに考えますので、人間本来の構造及び動きを考えた時に推奨されるグリップは「スクエアグリップ」これ一択です。

この時に解剖学的肢位がとても役立ちます。

なぜスクエアグリップがよいかということは、また別の記事(グリップについての記事)で詳細に説明致します。

では、続いて横からみた時の良い姿勢です。1つの基準として定義するならば、以下の通りとなります。

良い姿勢とは?ゴルフ

横から見た場合に、耳・肩・大転子・膝関節・外果(外くるぶし)が概ねまっすぐの線でつながっているのが理想です。

肩は、肩峰(けんぽう)と呼ばれる場所が目安となり、大転子は腰骨のやや下後方にある骨を指します。立った状態で軽く足を曲げてもらうと骨の出っ張りを感じてもらうことができると思います。イラストの骨の部位を参考に確認してみてください。

ここで示した立位姿勢が1つの目安となり、良い姿勢の定義となります。

この良い姿勢から逸脱した状態は、どこか1つの部位の筋肉が硬くなってしまっていたり、それによって関節の本来ある位置からずれているなどの不具合が起こってきます。

良い歩行とは?

では、一方で良い歩行とはどのようなことを言うのでしょうか?

良い歩行とは?

一言で簡単に表現するならば、「後ろの歩幅をしっかりと獲得すること

これがとても大事です。ここで勘違いしないでほしいは、前の歩幅よりも後ろの歩幅を大きくするということではないということです。あくまでも、前の歩幅と後ろの歩幅が一定の歩幅になることがとても重要です。

後ろの歩幅を獲得するためには、足の裏・ふくらはぎ・太もも裏・お尻の筋肉を使うことです。腹筋や太もも前の筋肉など、身体の前側の筋トレを行う方は非常に多いのですが、身体の後ろ側のトレーニングは必要不可欠です。但し、トレーニングをしなくても、歩き方を意識するだけで勝手にこれらの筋肉はある程度強化されます。ですから、「歩き方」というのはとても大事になります。

1番のポイントは、足の指をしっかりと蹴り出すことです。この意識をしていただくだけで歩き方は格段に変わってきます。足の指を蹴り出すと自然にふくらはぎ・太もも裏・お尻の筋肉が使われます。まずは、「足の指を蹴り出す」ここから始めてみてください。

良い姿勢と良い歩行はゴルファーの基本

良い姿勢・良い歩行の定義について、ご説明をさせていただきました。

ゴルフはよく歩くスポーツです。プロゴルファーを画面上から見ていて、歩き方がかなり悪いプロもいますし、良い歩き方をしているプロもいます。怪我が多い選手と怪我が少ない選手では、少なからずこの歩き方が1つの要素として大きく影響しているのは間違いありません。

姿勢が崩れていれば歩行にも影響を及ぼします。まずは良い姿勢から考え、姿勢が崩れているのには必ず原因があります。自分の身体は自分でメンテナンスすることを大前提に、セルフケアやセルフエクササイズを行い、時には専門家に身体をみてもらう必要もあるでしょう。

悪い姿勢→悪い歩行→身体の不調(トラブル)→ゴルフへの悪影響

良い姿勢と良い歩行はゴルファーの基本です。まずはここから見直してみてください。

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